サヴォア邸 / Villa Savoye

設 計:ル・コルビュジエ+ピエール・ジャンヌレ / Le Corbusier + Pierre Jeanneret

所在地:フランス ポワシー / Poissy, France

パリ郊外にあるサヴォア家の週末住宅です。

「近代建築の5原則」(ピロティ、屋上庭園、自由な平面プランニング、連続した窓、自由な外観)が明快に実現された建物として、そしてコルビュジェの代表作としてあまりにも有名です。建築の歴史的には、それまでの伝統的な石造りの建物から、柱とスラブ(床)を構造とした自由が利く建物になったということですね。今では当たり前ですが。

現在この住宅は世界遺産になっていますが、一時期は持ち主を転々として荒廃した時期もあったようです。当時の写真を見るとほとんど廃墟ですが、建築家自らの働きかけもあり、こうしてオリジナルに近い状態に整備されたのは良いことです。

ところでこの名作について、私はちょっとだけ疑問があります。それは屋上庭園やテラスは廻りを囲まれており、プライバシーも確保されて良いのですが、そもそもこの住宅が建てられた当時、周辺には何もなかったそうです。ならば屋上庭園など必要なく、人目を気にせず目の前の広場で自由に過ごした方が良いのでは?と思ってしまいました。

しかしスロープと螺旋階段によって入口から屋上までつながる建築的な流れは、”自然”とは別の”人工的”というもう一つ別の空間をつくっているとも言えます。そう、一粒で二度美味しいというやつだったのですね。(多分違うか...)