アートギャラリー・オブ・オンタリオ(オンタリオ美術館) / Art Gallery of Ontario

カナディアン・アートを中心に古代から現代美術まで充実したコレクションを誇る美術館です。2008年にフランク・ゲーリーの設計により改修され、大幅に拡張されました。

ゲーリーと言えばウネウネ・クネクネの造形が特徴ですが、改修や増築という条件を考慮しても、この美術館はデザイン面では少しおとなしめです。もっと”ゲーリーらしさ”を見たいという人には少し不満かもしれません。”らしさ”があるとすれば、中庭にある螺旋階段でしょうか。この階段はガラス屋根の天井を突き抜けて、さらに上階に続いています。

でもゲーリーはこの美術館に限らず、実は内部空間のつくり方もすごく上手いと思うんですよね。

この美術館も多くの部屋が木で仕上げられていて、どこか温もりを感じさせてくれます。一部の展示室にはトップライトが設けられており、自然光を取り入れることも出来ます。そして何より「Galleria Italia」と呼ばれる木とガラスの回廊。展示エリアの奥にあるこのギャラリーはとても居心地の良い空間で、多くのお客さんもくつろいでいました。

ゲーリー建築の中でも、もっと評価されても良い建築だと思いました。

 

< note建築探訪 >

改修により再生したオンタリオ美術館